清掃用具の勘違い

 

問診票の「使用している清掃用具」のチェック項目を

確認しながら指導をしていると、

 

歯間ブラシをフロスと思って使っていた!

ワンタフトブラシを歯間ブラシと思い込んでいた!

 

という患者様の勘違いに気づくことがあります。

 

 

歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシ、ワンタフトブラシ。

 

私たちには呼び慣れた清掃用具ですが、

患者様にも正しく認識していただけるように

わかりやすい指導を心がけたいものです。

 

 

私は初見の患者様の指導では、

「歯間ブラシをお使いですね。」

「糸ようじで歯と歯の間のお掃除をされていますね。」

と、必ず清掃用具を示しながら確認するようにしています。

 

 

話題の歯ブラシ

 

最近、患者様から質問を受ける歯ブラシ。

新聞広告でもよく目に留まります。

 

MISOKA 1本 1,050円。

 

試してみようと購入しました。

 

コンパクトなヘッドで、ハンドルは把持しやすそうです。

ネックにカーブがあることで、

臼歯部舌側、口蓋側に届きやすくなっているようです。

 

試してみましょう!

 

 

齲蝕予防のプラークコントロール指導

 

齲蝕予防では、唾液の流れに注目して指導を行うとよいと思います。

 

前歯部であれば、下顎は唾液の恩恵を受けてローリスクであるのに対し、

上顎は唾液の流れが悪く、齲蝕に対してハイリスクであるといえます。

 

上顎前歯部にある初期の隣接面齲蝕を経過観察するのであれば、

デンタルフロスの指導を徹底するようにしています。

 

患者様には唾液の流れが悪く、齲蝕が進行しやすい部位であることを説明すると

フロスの必要性がより伝わりやすくなると思います。

 

プラークコントロール指導 3つの視点

 

プラークコントロール指導では、私は次の3つの視点からの指導が必要であると考えています。

 

1.プラークコントロールの必要性の指導

2.ハイリスク部位の指導

3.プラークコントロール方法、清掃用具の選択の指導

 

1.プラークコントロールの必要性の指導

「なぜ歯磨きをするのか」を患者様に正しく理解していただくための指導。

 

歯科医院で行われるプラークコントロール指導は、歯周病および齲蝕の原因除去を目的としています。

「病気の原因除去」としてのプラークコントロールの必要性を

患者様に十分に認識していただくための説明を行うことが求められているといえます。

 

 

2.ハイリスク部位への指導

「どこを重点的に歯磨きするのか」を患者様に認識していただくための指導。

 

患者様には、歯周病、齲蝕のハイリスク部位を理解して、

ハイリスク部位を優先してプラークコントロールを行っていただくことが望ましいと思います。

歯周治療のプラークコントロール指導では、歯肉の炎症が強く起こっている部位や、

深いポケットが存在する部位、骨吸収が起こっているなどのハイリスク部位を

患者様に認識していただくための情報提供を行うことが必要であるといえます。

 

 

3.プラークコントロール方法、清掃用具の選択の指導

プラークコントロールの必要性や、ハイリスク部位を理解していただいたうえで、

どのような清掃用具を使用して、どのような方法でプラークコントロールを行うのが

よいのかを患者様に理解していただくための指導。

 

私はプラークコントロール方法や清掃用具の選択の指導の前に、

プラークコントロールの必要性の説明、

ハイリスク部位認識のための情報提供を時間をかけて行うようにしています。

 

 

 

 

 

新聞記事

 

昨日の日経新聞夕刊の記事です。

小児の歯磨き中の転倒などによる事故の報告です。

 

私は小児の指導をする機会は少ないのですが、

気をつけたいと思いました。

 

 

術者磨き

 

患者様に正しいブラッシング方法を理解していただくために、

私は術者磨きを行うようにしています。

 

よりブラッシングが上手くできるようになって欲しいと思う部位に

歯ブラシがしっかり当たる感覚、

適切な力加減、ストロークでのブラッシングを

術者磨きで体感的に理解していただくことを狙っています。

 

術者磨きのあとに、患者様にはこのような質問を投げかけます。

「私が歯磨きをさせていただきましたが、

 普段ご自身でされている歯磨きと違いはありましたか?

 どのようなところが違うと思いましたか?」

 

「まったく違うと思います!

 私は奥歯まで歯ブラシが届いていないことがわかりました!」

 

「私は雑に大きく歯ブラシを動かしているので、

 歯ブラシがしっかり歯に当たっていないのだと思います!」

 

多くの患者様が、術者磨きを通してご自身のブラッシング方法の

問題点に気づいてくださいます。

 

患者様が気づかれたことを確認しながらブラッシングの改善点をアドバイスしていくと、

スムーズに指導ができると実感しています。